ランニングアプリとしてのメジャーなStravaとYamapで、走行距離と獲得標高の測定結果を比較してみました。
結果的には、走行距離はStravaの方が少し長くなり、獲得標高はYamapの方が大幅に大きくなることが分かりました。
それぞれ分析してみます。
走行距離について
まず、走行距離ってどこを図っているか、わかりますか?
結論としては、以下の図にあるように水平距離です(少なくともYAMAPでは)。
つまり、山を登っても実際の距離は測定されず、GPSで真上から見た水平距離しか測定されないのです。
YAMAPに問い合わせたときの回答です。
YAMAPの移動距離は水平方向を計測したものとなります。
傾斜を考慮した実際の移動距離で表示して欲しいとのご要望もございますが、
調査の結果、大きな誤差はないことからそのようにさせていただいております。
例えば、傾斜角度が10°のとき、どれくらいの誤差がでるのでしょう。
cos10°≒0.98 なので約1.5%のズレがあります。
つまり、YAMAPで算出された走行距離が10kmだった場合、実際の走行距離は10.15kmです。
たった150mの誤差です。
傾斜角度10°はかなりの急勾配ですので、ほとんどの登山で算出される距離は、1%くらい短めに算出されるという程度です。
30km走って累積標高3,000mだったら、ものすごくハードコースだよね。
この時の傾斜角度は平均6°くらいだよ。
以下の表は、私が長めのトレイルを走った時のStravaとYamapでの走行距離の比較です。
右の値は、「Stravaの値÷Yamapの値」を算出しています。
表にあるようにStravaの値のほうが少し長め、約2~7%増しになっています。
計測方法は不明ですが、やはり長く算出されているStravaの方が正確だろうと思います。
もしかしたら、Stravaは傾斜を考慮した距離を算出しているのかもしれません。
走行距離 | YAMAP | Strava | S/Y |
---|---|---|---|
権現山から鞍馬山 | 48.2km | 49.4km | 1.025 |
権現山から焼杉山 | 40.4km | 41.54km | 1.028 |
小辺路三浦峠 | 22.3km | 23.14km | 1.038 |
南奥駈道 | 40.8km | 42.01km | 1.030 |
鷲峰山 | 20.5km | 21.88km | 1.067 |
八経ヶ岳から釈迦ヶ岳 | 28.8km | 30.46km | 1.058 |
京都一周トレイル1日走破 | 75.00km | 80.00km | 1.067 |
獲得標高の比較
トレイルランナーにとっては走行距離より獲得標高の方が重要です。
100kmの平坦地を走るのと、50kmで累積標高3,000mのトレイルを走るのとでは、たぶん後者の方がキツイですから。
獲得標高 | YAMAP | Strava | S/Y |
---|---|---|---|
権現山から鞍馬山 | 3,982m | 3,261m | 0.819 |
権現山から焼杉山 | 3,699m | 2,977m | 0.805 |
小辺路三浦峠 | 2,315m | 1,763m | 0.762 |
南奥駈道 | 3,836m | 2,406km | 0.627 |
鷲峰山 | 1,722m | 1,296m | 0.753 |
八経ヶ岳から釈迦ヶ岳 | 2,647m | 2,228km | 0.842 |
京都一周トレイル1日走破 | 4,173m | 3,748m | 0.898 |
StravaとYamapの獲得標高を比較してみると大きく異なることが分かりました。
YamapよりStravaの方が、10~40%も小さな値になっています。
こちらに関してはYamapの方が正しい値だと思います。
京都一周トレイルの獲得標高は4,200m程度だと言われていますからYamapがほぼ正確ですね。
Yamapに獲得標高の計算方法を問い合わせたところ以下のような回答がありました。
目安としてはAndroid:約10m、
iOS:約20mでGPSから水平方向に移動した位置情報を取得し、 標高や距離を記録しております。
つまりYamapを使用するにはiPhoneよりもAndroidスマホの方がより正確な値が出るようです。
Androidスマホであっても10m間の上下については切り捨てられるということですね。
StravaとYamap、どちらを選ぶか
StravaとYamapで、どちらか一方しか使用しないのならYamapをオススメします。
Yamapの地図機能は優秀で、地図にルートが示されていて道に迷うリスクを減らしてくれる、このメリットは大きすぎます。
ただし、YamapはGPSが不安定になりルートが飛んでしまうことがあって、そんな時でもStravaのGPSはうまく動作しています。
なので私は走る時は必ず両方を起動させて使用しています。
最後に
Stravaを使う人は、獲得標高が実際よりもかなり小さく算出されていることを頭に入れておくといいでしょう。
私も元々Stravaのみを使っていて、大会等で公表されている3,000~5,000mの獲得標高を1日で走ることが途方もなくたいへんに感じていましたが、実際はStravaで算出された値の1~3割増しであることが多いので、希望が持てましたね。
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